厚生労働省は15日の社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の医療保険部会で、75歳以上が加入する後期高齢者医療制度に関し、低所得者らの保険料を 最大9割軽減している特例措置を平成28年度から段階的に廃止する案を示した。現役世代との公平性の観点から、高齢者にも応分の負担を求める必要があると 判断した。

厚労省は特例措置の廃止で年810億円の国費投入を削減できると見込んでおり、来年の通常国会に提出予定の医療保険制度改革関連法案に盛り込む方針だ。

特例廃止の対象は約865万人に上る。後期高齢者医療制度の保険料は所得に応じて支払う「所得割」と、加入者全員が負担する「均等割」で構成。均等割では 9割軽減(年金収入が年80万以下)、8・5割軽減(年金収入が年80万超から168万以下)の特例があり、これを本来の7割軽減に戻す。廃止されれば、 年80万以下の年金収入世帯の場合、保険料は月370円から約3倍の月1120円となる。会社員だった人の妻らが同制度に加入した場合の特例措置も見直す。

また、厚労省は現役世代でも月収約120万円を超える高所得者の会社員の健康保険料の引き上げ案も提示した。

(産経新聞)10月15日